惑星直列[わくせい・ちょくれつ](参考)
- 太陽系の各惑星がおおむね一直線に並ぶこととされるが、実際には太陽から見て数十度の範囲に入っていればこのように呼ばれるらしい。実に人騒がせである。
- 「太陽系一周宇宙船レース」や「地球最後の宇宙戦艦の発進」など、惑星直列をめがけて計画されるイベントが多いことでも有名。
惑星パトロール[わくせい・ぱとろーる](キャプテンフューチャー・シリーズ)
- 太陽系警察機構の一部組織。「パトロール」と称するものの捜査権もあるようで(良く知られているように、アメリカのハイウェイ・パトロールは一般の犯罪に対しては操作も逮捕もしない)、正しく警察組織そのもののようだ。惑星間にまたがった犯罪を捜査する権限を持っているようで、モデルはFBIと思われる。
- エズラもジョォンも太陽系警察機構長官(ハーク・アンダース)から直接命令を受けたりしているし、原作では太陽系警察機構と惑星パトロールとの組織上の違いはほとんど意識されていないようなので、区別して考える必要はなさそうである。
- キャプテンフューチャー・シリーズにおいては「太陽系軍」と言うべき組織が登場せず、太陽系外からの侵攻に対しても惑星パトロールの艦隊が対応している。
キャプテンフューチャーによって超光速航法(振動ドライブ)が発明されるまでは、太陽系外の惑星系と行き来する方法が実質的に無かったため、太陽系外の勢力との衝突を考慮する必要がなかったためと考えられる。
私はまだ生きている[わたしは・まだ・いきている](火星シリーズ)
- ジョン・カーターの逆境におけるお得意のセリフ。
「どんなにピンチに陥っても、生きている限りは脱出〜逆転の可能性はゼロではないのだから、決してあきらめてはいけない。」という意味と思われる。
この種のセリフはヒーローものには不可欠で、「痛いのは生きてる証拠だ我慢しろ。(by流竜馬:石川賢原作ゲッターロボ)」など類語多数。
- この種の言葉がお好きならば、バローズ作品よりも「逆境ナイン」などの島本和彦作品が宝庫である。
ワープ航法[わーぷ・こうほう](参考)
- “光速を越えずに光よりも速く移動する”ために考え出された、SFの代表的なアイデアの一つ。何らかの方法で空間を捻じ曲げて、宇宙船から見た見かけの距離を実際の距離の数百分の1に縮めるというもの。「紙の両端を結ぶ直線を通常空間の航路とした時に、この紙を手で曲げて両端をくっつけた状態をワープ航法による航路とする」といったアナロジーで説明されることが多い。
- 空間を捻じ曲げるのに要するエネルギーをすべて宇宙船の動力から供給すると考えると、なんぼなんでも無理では?と考える人のために「空間というやつは大質量の近傍では歪んでいるものであり、その他にもより高次の視点から見た歪みや曲がりが存在している。宇宙船がこの歪みや曲がりを利用して一種の近道(ショートカット)をするのがワープ航法である」という説明も用意されている。この場合、宇宙船側の都合で好き勝手にワープする訳にはいかず一見不便そうだが、大抵の作品ではこの制限が多少のリアリティを生み新たなストーリーを生み出す元になっている。
- アインシュタインが相対性理論を発表して以来、まともな作品においては宇宙船の速度が公然と光速を越えることはためらわれるようになった。これはこれで、SFにリアリティをもたらす上で大きな意味があったのだが、とは言えすでに宇宙活劇に“超光速”は欠かせないアイデアになっていたのだ。低速で行き着ける範囲(必然的に太陽系の中と言うことになるが)で宇宙人と戦うか?さもなければ超光速で(BEMの居そうな)遠くまで行くか?の二者択一ならば、大抵のSF作家は後者を採用するであろう。
- 以前は“歪曲航法”と訳されていたこともあったが、宇宙戦艦ヤ○トの大ヒット以来、すっかりポピュラーなSF用語の一つとなった。作品によっては“リープ航法”と呼ぶ場合もあり、こちらの方は“跳躍航法”などと訳されていたが、最近では自然に“ワープ航法”で統一されてきたみたいである。
- ちなみに、E.E.スミスは余程“ワープ航法”が肌にあわなかったらしく、あれだけ“銀河を股に掛ける”作品を発表していながら、ワープ航法の登場する作品はほとんど書いていない。(例外は“大宇宙の探求者”であるが、出来栄えは…)
WARPS[わーぷす](参考)
- ツクダホビーより発売されていたテーブルトークRPG。デザインはORG社
確か「Wild-Card Adventure Role Play System」の略の筈である。
名前が示すように、スティーブジャクソン・ゲームスのGURPS(こちらは確かGeneric Utility Role Play Systemの略だったと思うが…)の向こうを張って企画制作されたのであろう。
スタートキットは箱入りで「ルパン三世カリオストロの城」を題材にしたシナリオとセットになっていた。筆者が購入したのもこれでした。
- GURPSは「適当なサプリメントを追加することによってあらゆるストーリに対応できるRPG」をめざしたものであるが、WARPSは「適当なサプリメントを追加することによってあらゆるヒーロー・ストーリに対応できるRPG」をめざしたものであった。
ここではルール・システムについて詳しくは書けないが、看板通り「ヒーローものを演ずるに最も適したルール・システム」であることは確かである。
お手軽な宇宙活劇やヒーローもの用としては、これの右に出るものはないと確信する。
惜しむらくはルールブックが少々難解で、他のテーブルトークRPGの経験がない人には何を言っているのか分からない箇所がままある。ただしこれは当時(D&Dが翻訳され、テーブルトークRPGが日本国内で広まりつつあった頃)の箱入りゲームのルールブック全てについて言えることで----現在のようにRPGそのものについてはほとんど説明不要な状態ではなく、ごく限られた枚数で一から説明しなければならなかった----WARPSの執筆者にすべてを帰するのは少々気の毒ではある。
我らがパトロール隊[われらが・ぱとろーるたい](銀河パトロール隊)
- 物語の冒頭、レンズマン士官学校の卒業式典で演奏される勇壮なマーチ。
- アメリカ合衆国の国家が大本のイメージと思われるが、たぶんジョン.ウイリアムス調なんだろうなあ。
筆者にとっては「ウルトラ警備隊の歌+特車隊マーチ」である。あなたはどんなのを想像していましたか?