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スペースオペラ用語辞典/や行

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ヤクザ[やくざ](ファンダム用語!?)

  1. 一般のファンが、SFまたはその周辺事業で飯を食っているプロを言う時の言葉。
    言葉の印象とは裏腹に、多少の羨望が入っている言い方と思ってもそう間違いではない。
    これに対して、純粋なファン(つまり自分達のこと)を指しては「カタギ」という。

    あまりにも当然なことだが、これはあくまで仲間内の言葉遊びであり、先輩SF関係諸氏に対しては決して「ヤクザ」などと失礼な呼び方はしない。以上念のため。

  2. 自由業一般をさして言うこともある。
    人は多く、若い頃に一度はヤクザな生き方にあこがれるものである。


ヤード・ポンド法[やーど・ぽんど・ほう](参考)

  1. 長さの基本単位をヤード、重さのそれをポンドとする度量系で、かって英語圏で広く使用されていた。SI単位の普及とヨーロッパ統合の流れを受けて、現在(1999年)では発祥地のイギリスでも正式には廃止され、今やアメリカで使用されるのみとなった。

  2. このため、アメリカと他国(例えばロシア)との共同で宇宙実験などを行う場合に、「単位系の差による誤差」が大きな問題となっている。

  3. 電気設計の世界では欧米が先進国であったため、部品の寸法などは現在でもインチ・フィート系で作られている。例えばICの足のピッチなどは、1ミル(=1/1000インチ)を単位としているし、コネクタの寸法もちょっと古いものはインチ系である。最近はミリメートル系のものも増えてきているが、まだまだインチ系規格は根強く残っている。

  4. 宇宙活劇は多くアメリカ生まれであるので、未来のお話でもヤード・ポンド法が幅を利かしており、とまどった向きも多かろう。しかしながら一旦慣れてくるとヤード・ポンド系で書かれていないとかえって物足りなく感じるのも事実である。ヤード・ポンド法は、クラシック宇宙活劇の重要なフレーバの一つになってしまった。

  5. 参考までにSI単位系との換算を以下に記す。
    ・1マイル=約1.609km
    ・1ヤード=約0.9144m
    ・1フィート=約30.48cm
    ・1インチ=約2.54cm
    ・1ポンド=約0.454kg
    ・1エーカ=約4047平方m
    ・1米ガロン=約3.785リッタ
    ・1英ガロン=約4.546リッタ
    ・1クォート=約1.137リッタ
    ・1パイント=約0.568リッタ

野暮[やぼ](重要)

  1. 他人の作品のあげ足を取ってお金を稼ぐこと。またはそのような出版物。

    ただし、対象に対する深い愛情が感じられるものは、その限りではない。

  2. 上記のような活動の結果(出版物など)をお金を出して買うこと。
    これは間接的に荷担しているのと同じであると思うが...

  3. 作品の中で繰り返し使用される限り、それは「再現性のきわめて高く」また「衆人によって観測された事実」なのであって、想像力の貧困さを棚に上げ生っ噛りの知識で単純に否定するなど---言ってる本人は偉くなったような気がしてさぞかし気持ちが良かろうが---実はこれこそ非科学的な態度というものではなかろうか。
    「観測結果」に対しては先入観を捨て謙虚に検討を加えるというのが、真に科学的なアプローチというものである。
    ライト兄弟が飛行機の実験に成功する直前には、航空機による飛行が不可能であることを「科学的に証明してみせる」輩もいたそうであるが、似た様なやつは何時でも何処にでもいるということなのだろう。


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有重力状態[ゆう・じゅうりょく・じょうたい](銀河パトロール隊ほか)

  1. レンズマン・シリーズ中においては、無慣性状態から復帰した状態(つまり慣性のある普通の状態)を指す用語。
    おいおい「無慣性」と「無重力」はちょっと違うんじゃあないの?と、ツッコミを入れたくなりそうだが、レンズマンの作品世界においては、一種の専門用語(または一般向け用語)として定着しているらしい。厳密には間違っている用語なのだが一般向け用語・慣用句として定着してしまう、ということは、我々の社会においてもよくあることである。

  2. まあ言われて見れば、無慣性の物体からは質量による引力は生じないのかもしれないが、無慣性状態のもの同士の間では互いの引力は働いているらしいし、何とも座り悪い用語ではある。

遊星[ゆうせい](参考)

  1. 「惑星」の別称。と言うよりもクラシックな言い方と言う方が良いかもしれない。「日本SFこてん古典」で紹介されている作品の中などでは、「惑星」でなく「遊星」と呼ばれていることが多いようである。

    「遊び人の星」という訳ではないよ。この方が面白そうだが..

  2. 「ネビュラ」は星を意味する語であるから、「遊星ネビュラ(於:宇宙猿人ゴリ)」ってのは「星!おーい星やい!」って言っているのと同じ。昔の特撮の、この少々マヌケな具合が良い味出してるよなあ。 


ユカタン半島[ゆかたん・はんとう](参考)

  1. メキシコ最南端にある半島。
    マヤ文明の階段状ピラミッド遺蹟で有名。
    「古代文明は太古地球に飛来した宇宙人が伝えた」などというアイデアに関連して、エジプト(のピラミッド)と並んで引き合いに出されることが多い。

  2. 恐竜の大量絶滅については諸説あるが、最近では「巨大隕石落下」説が有望であるようだ。

    さてそれではその隕石がどこに落ちたかというと、何しろ「昔のこと」なので痕跡も残りにくく、さっぱり分からないらしいが、どうもユカタン半島近傍の海が怪しいということになっているらしい。

    そのうち、巨大隕石から発生し恐竜絶滅の直接原因になった宇宙怪獣(!)の痕跡がユカタン半島で発見され...というゴ○ラ映画が見られるかもしれない...見られるといいなぁ...見たいなぁ。
    ただし、マヤ文明そのものはBC100〜900程度の古さなので、マヤの遺蹟の地下に件の怪獣が封印されていたり、怪しいレリーフが発見されたり等と言う安易なお話にはならないでしょうが。

    この場合はゴジ○にとっては「先祖の仇」かつ「一種の天敵」となり得るから、結構良い戦いになるのではないだろうか?


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陽電子脳[よう・でんし・のう](参考)

  1. プラスの電荷を帯びた電子である「陽電子(反電子)」を利用した電子頭脳のこと。

    アイザック・アシモフのロボット・シリーズにおいて、ロボットの頭脳を構成する基幹部品として登場するものが有名。
    このシリーズに登場するような高級な陽電子脳になると、人間並みに複雑な知性と個性を持っているらしく、単純な機械として扱うと問題を起こしやすく専用の心理学者が必要になることもある。

    ちなみに「陽電子脳とはどんなものですか?」と聞かれた時、アシモフ自身は「語感だけで決めたんだから、全然分からない。」と答えているそうである。

  2. 同じものをカタカナで表現すれば「ポジトロン脳」となり、こちらは「宇宙英雄ローダン・シリーズ」に登場するスーパー・コンピュータのことである。


4次元の世界[よじげん・の・せかい](ヴァレロンのスカイラーク)

  1. 我々の生活している世界はタテ・ヨコ・高さの3方向に広がりを持つ“3次元”空間であるが、更に4番目の広がりを加えた空間からなる世界のこと。今のところ仮想の存在。
    4番目の次元は何か?については、特に定説はない様である。まあ何にしろ、3次元空間の生き物である我々にはおよそイメージ不可能なものであろう。

  2. H.G.ウェルズの“タイムマシン”の中では、4番目は時間軸であるという理論が語られる。“タイムマシン”があまりに有名作品であるためか、4次元と言えば時間軸を連想する人も多い。が、これは我々の世界について時間を4番目に勘定するかどうかといった問題で、“ヴァレロンのスカイラーク”で取り扱っているものとは違うようである。ウェルズのタイムマシンは時間軸上を自由に行き来できる機械であるが、あくまで我々の世界の歴史上を移動するものである。

  3. さて、“ヴァレロンのスカイラーク”に登場する4次元世界である。こちらは一種のパラレルスペースらしく、我々の宇宙と重なって存在しているが見ることも触れることもできず、こちらとは時間の流れる速度も異なっている。

    4番目の次元は時間軸ではなく、空間的な広がりが一つ追加されたものである。スカイラーク号の球体船殻(3次元的には閉じている)も第4番目の方向には穴だらけらしく、4次元宇宙の生物の進入をやすやすと許してしまった。

    4次元空間内では3次元空間の生物(人類)の知覚もある程度影響を受け、“ちょっとしたコツ”を身につけると4次元空間の認識が可能になる!!今時こんなことを書いたらまともな読者には相手にされないところであるが、そこがまたクラシック作品の味わいと言うところで、割り切って読めば実にスミスらしいおおざっぱさで楽しい。

  4. 見ることも触れることもできない筈の4次元世界への行き方は、以下の通りである。
    (1)十分に強度のあるものに搭乗して、もの凄い勢いで回転する。
    (2)十分に回転が上がったところを見計らって、周囲からとてつもないエネルギーを浴びせて圧迫する。
    (3)すると、3次元空間に“身の置き所”がなくなってしまった物体が、苦し紛れに4次元世界へ行ってしまう(押し出される)という寸法である。

四畳半コクピット[よじょう・はん・こくぴっと](参考)

  1. 戦闘機などの操縦席が不必要なまでに広々としていること、あるいはその操縦席の美術デザインを揶揄して使用する言葉。

    昔のメカものアニメなどでちょくちょく見られた。

  2. 狭っ苦しいコクピットにしてしまうとキャラクターに芝居をさせにくく、また必要に応じて他のキャラクターを同乗させるのも困難になるなどの理由で始まったと思われる。

    その他、背景のパースがリアルに描くよりも簡単にし易い(四角い箱型の部屋にすれば良い...)などの技術的理由もあいまって一時はほとんどがこれであった。こうした風潮に歯止めが掛かったのは「超時空要塞マクロス」あたりからと思われる。

    最近は...見てないので分かりません。こんな言葉は無くなっちゃったのかな。

  3. クラシック宇宙活劇に登場する宇宙船の操縦室の場合、小説を読んでいてもかなり広々したイメージがあるが、こちらの場合その起源が航空機のコクピットというよりも船舶のブリッジに近いイメージであるためであろう。



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